ラストスプリング

19歳、今思い返すと本当に色々な事があった。
彼女と別れ行き場を失った僕のムスコ。悲しみと同時に自由を手に入れたムスコは暴走し、もう誰にも止める事は出来なかった。

19歳、最後の春。
高校を卒業してからというもの学校の制服を着た女の子を見る度に僕は胸をトキめかせていた。

なんて可愛い娘達なんだろう。
天使だ。
絶対エッチしたい。絶対に女子高生とエッチしたい。

スイッチが入ったらヤらないと気が済まないのが僕の性分。
さっそくアルバイト先の女子高生ギャル子ちゃんに誰か紹介してくれと懇願した。

ギャル子ちゃんは頭の良い子だ。
僕がただヤりたいだけなんて事はお見通し。それでも紹介してくれると言うから恐ろしい。
なんていい子ちゃんなんでしょう。

数日後、僕の携帯に1通のメールが届いた。

「ギャル子からアドレス教えてもらいました。レイミ。」

ギャル子ちゃん、ありがとう。
レイミちゃん、よろしくね。

何通かやりとりをした僕はレイミちゃんと会う約束を交わした。
待ち合わせ場所は僕の家の最寄り駅。

一週間ムスコ腫らせては眠れぬ夜を過ごした。

そして当日…

レイミちゃんから到着したとの連絡があり、僕は急いで駅へと向かった。

待ちに待ったこの日。もうムスコははち切れんばかりにイキり勃っている。

コラコラ。おせっかちダゾ♪

駅に着いた僕はムスコをなだめてレイミちゃんを探した。

ああ、カワイイ可愛い僕のレイミちゃん。いったい君は何処にいるの♪




居た。

たぶんあいつだ。

デッケェなぁ〜。

過去2度に渡る失敗を経て、強靭なるメンタルを手にしていた僕は得に動じる事なく彼女に声をかけた。

「あの〜、レイミさんですか?」

「あ、ハイ♪」

振り返ったのはカンニング竹山だった。
後ろ姿から可愛くない事は想像出来たが、これ程までとは…

僕はギャル子ちゃんを恨んだ。
きっと今頃どこかでほくそ笑んでいるに違いない。あの悪魔め。
きっと後日笑いながら「あれは無理だったでしょ〜?」とか言って来るに違いない。 

ナめんじゃねぇ…

ナめんじゃねぇッ!
やってやるよ!

例え顔がカンニング竹山でも彼女は制服という神秘のベールを身に纏っている。
もうそれだけで充分だ。
全然余裕だっつーの!

僕はお腹を空かせているであろう竹山にマックを奢り、家へと招き入れた。

……

さぁ、いよいよ始まるんだ。
この時点でカンニング竹山に見えてんのに賢者タイムが来たらどうなってしまうんだ。

ええい!考えるのはやめだ!
目の前にある制服をとことん楽しんでやるぜ!

僕はカンニング竹山に抱きつき、すかさずディープキッスをかました。

な、なんだこの頼り甲斐のある抱き心地は!!
女性と言うのはもっと細く繊細で守ってあげたくなるようなものだろう!
それなのになんだッ
なんなんだこの安定感は!

くそぅ、こいつぁ早いとこ終わらせねぇとムスコが持たねぇッ。
しかし顔をみながら最後までイケる気がしない。
バックで突いて終わらせてやる!

ケツ出せオラァ!

ヒッ…

け、ケツがニキビだらけやないかい!!
なんや!顔もダメ、ケツもダメ!何処ならええんや!

や、ヤバイぞ、ムスコが息をしとらん!

な、なんとかしないと…

僕は無言で竹山の顔の前にムスコを突き出した。

パクニュルン…

ジュッポ ジュッポ ジュッポ…


こ、こいつッ
しっかり訓練されているぅ!

コレならイケるぞ!
制服だけを見るんだ。女子高生にフェラされていると言うのは紛れもない事実ッ!
ブスだろうがデブだろうが関係無いッ!
コレはイケるぞぉぉおお!!


……


大人になると言うのは汚れていくと言う事。 
僕はこの戦いを経てまたひとつ大人になれたのだと思う。

そして、カンニング竹山の顔は賢者タイムで見てもカンニング竹山のままで少しだけ安心した。

彼女は今も変わらない笑顔で過ごしているだろうか。
探偵ナイトスクープを観ながらそんな事を思うのであった。